佐内正史、長島有理枝、蜷川実花、野口里佳、藤代冥砂。以上の五人のインタビュー集。 佐内はリー・ペリーやビョークに極めて近い生き物。話す言葉が幼稚で支離滅裂だが、なぜか許せる。国語の成績はずっと1だったそうだ。 長島と蜷川が同い年とは初めて知ったが、長島の方がいい歳のとりかたをしていて、精神的にもタフな印象。私写真が撮れるのは強み。 対する蜷川はインタビューでいつも同じことしか言わない。 野口は「夏休みの自由課題」を写真でやっているという印象。話す言葉も優等生的で極めて退屈。 藤代冥砂については、やはり飄々としつつ野心家でもあるという評で間違いないと確信。アンケートで好きな写真集に『オレレ・オララ』『ハイ!マリー』『晴れた日』と篠山紀信の作品を挙げていた。 #
by HUSTLA
| 2004-07-26 03:37
篠山のようなカメラマンになりたいなら車は必需品だが、荒木のような写真家になりたいなら普段の移動は公共の交通機関と徒歩でなくてはならない。
カメラマンとは常々「いい女とかっこいい車に乗りたい」と思っている人種である。思うだけでなく実際に口にしてはばからない者もいる。対して写真家は、いつも車に乗っていては見落としてしまう風景があり、出会わないひとがいることを知っている。 「カメラマン」の頂点にいる篠山が、「美女と名車」を撮った写真集を出すというのは象徴的だ。野村誠一が自身のホームページで「車を恋写」していることにも注目したい。カメラマンと写真家の間を行き来する藤代冥砂は、『もう、家へ帰ろう』のなかで「私がいつも車を使うので、二人で電車に乗ることは少ない」と発言しているが、同時に夫婦で散歩したり、自転車で出掛けたりもする。荒木は多分、免許すら持っていないはずで、猥褻図画販売で摘発され警視庁に出頭したとき「朝ビールを飲んでいるはずの時間に、通勤ラッシュでぎゅうぎゅうの小田急線に乗らなきゃいけないでしょ。そのときにサラリーマンたちの大変さを感じる(以下略)」と発言している。(『すべての女は美しい』より引用)こういうことがビジネス街でサラリーマンを撮った写真集『男の顔面』に繋がるのだろう。『男の顔面』は荒木の企画ではないが、それを引き受けるか断るかの判断をするときに普段のあり方が重大な影響を及ぼすことは想像に難くないし、車という個室に自らを隔離しつづけるカメラマンにはビジネス街のお父さん達は撮れないのだ。撮りたくないかもしれないが、週刊ポスト、週刊現代、フライデー、フラッシュの読者は普段電車に乗っているサラリーマンが大半なのだ。自分の写真に金を出してくれるのがどんな人か興味がないのも「カメラマン」なのだろう。 #
by HUSTLA
| 2004-06-23 13:02
| 写真集
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