『フォトグラファーの仕事』平凡社

a0018218_339069.jpg
 佐内正史、長島有理枝、蜷川実花、野口里佳、藤代冥砂。以上の五人のインタビュー集。
 
 佐内はリー・ペリーやビョークに極めて近い生き物。話す言葉が幼稚で支離滅裂だが、なぜか許せる。国語の成績はずっと1だったそうだ。
 長島と蜷川が同い年とは初めて知ったが、長島の方がいい歳のとりかたをしていて、精神的にもタフな印象。私写真が撮れるのは強み。
 対する蜷川はインタビューでいつも同じことしか言わない。
 野口は「夏休みの自由課題」を写真でやっているという印象。話す言葉も優等生的で極めて退屈。
 藤代冥砂については、やはり飄々としつつ野心家でもあるという評で間違いないと確信。アンケートで好きな写真集に『オレレ・オララ』『ハイ!マリー』『晴れた日』と篠山紀信の作品を挙げていた。
[PR]
# by HUSTLA | 2004-07-26 03:37

篠山紀信 『Car girl』 (再)

a0018218_13230.jpg 篠山のようなカメラマンになりたいなら車は必需品だが、荒木のような写真家になりたいなら普段の移動は公共の交通機関と徒歩でなくてはならない。
 カメラマンとは常々「いい女とかっこいい車に乗りたい」と思っている人種である。思うだけでなく実際に口にしてはばからない者もいる。対して写真家は、いつも車に乗っていては見落としてしまう風景があり、出会わないひとがいることを知っている。
 「カメラマン」の頂点にいる篠山が、「美女と名車」を撮った写真集を出すというのは象徴的だ。野村誠一が自身のホームページで「車を恋写」していることにも注目したい。カメラマンと写真家の間を行き来する藤代冥砂は、『もう、家へ帰ろう』のなかで「私がいつも車を使うので、二人で電車に乗ることは少ない」と発言しているが、同時に夫婦で散歩したり、自転車で出掛けたりもする。荒木は多分、免許すら持っていないはずで、猥褻図画販売で摘発され警視庁に出頭したとき「朝ビールを飲んでいるはずの時間に、通勤ラッシュでぎゅうぎゅうの小田急線に乗らなきゃいけないでしょ。そのときにサラリーマンたちの大変さを感じる(以下略)」と発言している。(『すべての女は美しい』より引用)こういうことがビジネス街でサラリーマンを撮った写真集『男の顔面』に繋がるのだろう。『男の顔面』は荒木の企画ではないが、それを引き受けるか断るかの判断をするときに普段のあり方が重大な影響を及ぼすことは想像に難くないし、車という個室に自らを隔離しつづけるカメラマンにはビジネス街のお父さん達は撮れないのだ。撮りたくないかもしれないが、週刊ポスト、週刊現代、フライデー、フラッシュの読者は普段電車に乗っているサラリーマンが大半なのだ。自分の写真に金を出してくれるのがどんな人か興味がないのも「カメラマン」なのだろう。
[PR]
# by HUSTLA | 2004-06-23 13:02 | 写真集

藤代冥砂

真・写真時評に藤代冥砂に関する記事UP
[PR]
# by HUSTLA | 2004-06-21 13:53 | 写真集

若木信吾

真・写真時評に若木信吾撮影の『吉澤ひとみ 8teen』の記事をUP
[PR]
# by HUSTLA | 2004-06-20 00:50 | 写真集

更新

真・写真時評に月刊ソニン、佐内正史の『鉄火』、伊東美咲の『美咲』『Fruits』について記事有り。
[PR]
# by HUSTLA | 2004-06-11 01:24 | 写真集

一段増感

まことに勝手ながら真・写真時評(一段増感)に移転します。
いずれは他のひとも投稿できるブログになる予定です。
引き続き御愛顧お願いします。
[PR]
# by HUSTLA | 2004-06-04 23:37

反・野村誠一的なるもの  瀬戸朝香/藤代冥砂 『ASIAN』

a0018218_11538.jpg まさかの朝香だった。表紙にクリップオンストロボで撮った写真を堂々と使うとは。一冊通して見ても、ライティングに関して特別な工夫はみられない。プロがグラビアや写真集を撮る場合、アマには不可能なテクニカルな部分で勝負するのが普通なのだが、藤代冥砂はそんな常識からは全く自由なところにいる。光を作り込まないだけ、一枚一枚が刹那的に感じられる。商品のはずなのにプライベートな雰囲気がある。
 昨年夏の雑誌relax ビキニ特集では「僕らは野村(誠一)さんや渡辺(達夫)さんがやってきたことを否定していく立場にあるわけでしょ。別にグラビアに決まり事っていうのは無いわけだし、上の世代を乗り越えていこうっていうのは健全なことだと思うよ」と発言していた。
 対して野村誠一は同じくビキニ特集で「恋写っていう言葉は、その女性を愛おしく、恋するような気持ちになれば、絶対その子と気持ちが通じ合うだろうって意味」、「絶対どんな女性でも俺は綺麗に撮れるの。そこは自信がある。だから絶対向こうは心開いてくれる」と発言しているのだが、おそらく藤代はそんなことは信じていない。50代、60代のオジさんと十代の少女がそんなに簡単に心通じるものかと。(但し今回のモデル、瀬戸朝香は27歳、藤代冥砂は35歳)万が一、心通じ合ったとしても、それはやはり恋愛としては不自然な関係なのだと。
 グラビアや写真集では疑似恋愛関係が求められるという大前提があることも確かだが、藤代はその大前提をも崩しにかかる。恋人のように撮るのではなく、娼婦のように撮るのだ。笑顔も撮るが、無理に恋人へ向けた笑顔を演出したりはしない。だから嘘がない。
 一方は、実際には金を介した仕事上の関係ながら、「これは純愛ですよ」とうそぶくやり方。もう一方は、仕事であることを前提にして嘘がないようにするやり方。野村誠一の撮り方と、藤代冥砂の撮り方ではどちらがより恋人・配偶者に嫉妬されるやり方なのだろうか?
[PR]
# by HUSTLA | 2004-06-01 01:16 | 写真集

スタイリストに写真が撮れるか? レイク・タホ 『TWEED』

a0018218_183850.jpg スタイリスト熊谷隆志によるレイク・タホ名義の2冊目の写真集。
 何かのついでに撮ったと思しき海外の風景写真や、雑誌の仕事のオフショットか没テイクか判別できないモデルのポートレートなどを適当に配置した、出涸らしのお茶みたいな写真集。なかなか良い度胸だ。写真のレベル的にはお散歩写真、記念写真に過ぎない。それはモデルに使った人間(浅野忠信、SHIHO)に帯の推薦コメントを書かせていることからも明らか。誰も評価しないので身内に褒めさせるしかないということ。元々、スタイリストとして大御所?になり「写真を撮りたい」という我が儘をファッション誌の編集部が押さえきれずにスタートしたキャリア。写真としてみるべきところは皆無だが、その政治力は見習うべきところありと言えるかもしれない。
http://www.xknowledge.co.jp/mook/tweed/
[PR]
# by HUSTLA | 2004-05-29 18:33 | 写真集

藤代冥砂 瀬戸朝香 『ASIAN』プレビュー

 写真集自体はまだ入手していないが、フライデーで袋とじ8ページにわたってパブあり。見たところ光源は自然光とクリップオンストロボ(あるいは内蔵ストロボ)のみ。通常、「プロとアマの違いはライティング技術」などと言われることが多いのだが、そんなことを全く意に介さないところが冥砂の魅力なのかもしれない。赤目の写真を堂々と使ってしまえるのは他にいない。
 写真集入手次第詳しく書きたい。
[PR]
# by HUSTLA | 2004-05-29 02:57 | 写真集

写真家≒詩人  後藤繁雄著『写真という名の幸福な仕事』

 写真家は言葉も研ぎ澄まさねばならぬ。話す言葉は詩のようでなければならぬ。
写真家29人のインタビュー集。
荒木経惟、上田義彦、ホンマタカシ、長島有里枝、大森克己、若木信吾、森山大道、佐内正史、平間至、HIROMIXなど
個人的には「何気ない日常」、「写真日記」がNGワード。
[PR]
# by HUSTLA | 2004-05-28 00:26